2008 Fiscal Year Annual Research Report
空間情報技術と障害者参画による緑地環境ユニバーサル化状況の把握
Project/Area Number |
19580038
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
美濃 伸之 University of Hyogo, 自然・環境科学研究所, 教授 (00336835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 富士男 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (80316041)
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Keywords | 公園緑地 / バリアフリー / ユニバーサルデザイン / プログラム / 障害 |
Research Abstract |
本研究では神戸市立相楽園を対象に、プログラム別にそのバリアフリー状況を調査し、関連する要素の分布状況の特徴と対象地域におけるバリアフリー推進方策について検討した。ここでは、まず、対象地域における'楽しみ'を花・樹木、歴史・文化、石組、流れ、イベントに分類し、それらの要素が園内のどこに分布しているのかを把握した。対象地域は都市公園であり、重要文化財3つ、芝生広場等の多様な要素を有する神戸市立相楽園を選定した。また、それぞれの楽しみについて、五感のどの部分を主に使って楽しむのかを把握し、園内の園路状況を考え合わせて、移動障害および視覚障害によって、どの楽しみがどの程度制限されるのかについて考察した。まず、対象地域における'楽しみ'を花・樹木、歴史・文化、石組、流れ、イベントに分類し、それらの要素毎にマップを作成した。その結果、花・樹木に関する要素は園内に比較的均一に分布していた。また、これらの要素は複数の感覚によって楽しめる場合が多く、特に視覚障害の観点から見た場合、見る以外の感覚を利用したソフト開発が重要になると考えられた。一方、歴史・文化、石組・流れに関しては、分布している位置に偏りが見られた。特に、日本庭園周辺にはこの楽しみに関わる要素が集中して分布し、かつ多様な感覚による楽しみ方が困難であること、石段による移動困難生を考え合わせると、何かしら別の方法で当該楽しみの提供を考える必要があると考察された。対象地域は、移動円滑化だけを考えると園内の多くの施設にアクセスが困難で、低いバリアフリー評価になってしまうが、プログラムベースで見ていくと、そこでの問題発見が容易になると考えられた。今後は訪問者の実利用調査をあわせて、分析の高度化を図っていく必要がある。
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Research Products
(2 results)