2008 Fiscal Year Annual Research Report
ファレノプシスの形態形成にかかわる生理活性物質の相互作用と動態解明に関する研究
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19580039
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
窪田 聡 Nihon University, 生物資源科学部, 講師 (60328705)
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Keywords | ファレノプシス / サイトカイニン / ジベレリン / 開花 / 花茎発生 / 形態形成 |
Research Abstract |
ファレノプシスの花茎の内生GAを同定するため、常法により抽出・精製を行いGC/MSで分析したところ、GA_<53>、GA_<19>、GA_<20>、GA_1、GA_3、GA_5が検出された。これらのGAは早期13位水酸化経路に属するものであり、また非水酸化経路に属するGA_4等のGAが検出されなかったことから、ファレノプシスの主要なGA合成経路は早期13位水酸化経路であると判断できた。なお、GA_3とGA_5については、コンタミネーションの可能性も捨てきれないため、今後さらに検討する予定である。UPLC/MS/MSによる低温処理開始後の腋芽の内生GAの定量方法について検討したところ、1g程度のサンプルから内生GAを高感度で検出・定量が可能な方法を確立し、現在本法を用いてGAの定量を行っている。 GA(GA_3)とサイトカイニン(BA)をファレノプシスの上位から3節目の葉腋に毎週1回、10週間にわたって投与した。その結果、通常は腋芽が伸長して花茎となるが、頂芽が伸長して花茎となる株が出現した。これは実用上新奇な鉢物を生産する方法として有用と考えられることから、本法について特許出願した。また、頂芽からの花茎発生には、必ずGAの投与が必要であったことから、GAはファレノプシスの花茎分化を促進する作用を持つこと、さらにファレノプシスは腋芽だけではなく、頂芽も花芽分化能を持つことが示され、これは従来にはない新知見といえる。また、最低気温を26〜27℃として、花茎発生を強く抑制した場合には、GAを投与しても頂芽は伸長せず、花茎発生は見られなかった。したがって、気温によって外生GAに対する感応性が大きく変化していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)