2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580043
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
吹野 伸子 National Agricultural Research Organization, 野菜茶業研究所野菜育種研究チーム, 主任研究員 (70355626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 好輝 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜茶業研究所野菜育種研究チーム, チーム長 (20450322)
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Keywords | メロン / うどんこ病 / 抵抗性 / DNAマーカー / 育種 / レース |
Research Abstract |
1)データベースおよび論文等で公開されたメロンとキュウリのSSRマーカー485個、並びに中国農業科学院より提供を受けたキュウリEST由来SSRマーカー781個のスクリーニングを行い、解析集団の両親間で多型を示す217個マーカーを見出した。現在までに55マーカーを用いて93組換え型自殖系統(RIL)のジェノタイピングを行った。また、F3系統のマーカー遺伝子型と表現型を調査した結果、2つのSSRマーカーTJ29とCMBR150との間で組換えを起こした個体において抵抗性と罹病性の表現型が出現し、抵抗性遺伝子はこの2つのマーカー間に位置していることが明らかとなった。 2)メロン19品種・系統にキュウリ、スイカ、カボチャを加えた計24品種・系統を検定用系統とし、主要産地から収集・単胞子分離したうどんこ病菌46菌系の接種試験を行った。その結果、ほぼすべての菌系はレース1より広範な病原性を持ち、北海道のスイカより採取した菌系はレース2Fr、静岡県、茨城県、熊本県および北海道のメロンから採取した菌系は大部分がレース6に近い病原性を持つと考えられた。また、これらの菌系はうどんこ病強度抵抗性キュウリ'PI197088-1'を除くキュウリ、スイカ、カボチャに感染可能であり、これまでうどんこ病が問題となっていなかったスイカを侵す菌系も地域によっては出現していた。 RILのうち1つの抵抗性遺伝子のみを持つ系統は多くの菌系に対して中程度の抵抗性を示したが、2つの抵抗性遺伝子を併せ持つAR5はすべての菌系に対して完全抵抗性であった。 以上により、うどんこ病高度抵抗性メロンAR5の持つうどんこ病抵抗性遺伝子の2つの座乗位置および我が国主要産地で発生しているうどんこ病菌の病原性が明らかになった。
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