2007 Fiscal Year Annual Research Report
イネいもち病菌の余剰染色体からの非病原性遺伝子AvrPikのクローニング
Project/Area Number |
19580050
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
草場 基章 Saga University, 農学部, 准教授 (90304881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土佐 幸雄 神戸大学, 農学研究科, 教授 (20172158)
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Keywords | Magnaporthe oryze / Pyricularia oryzae / イネいもち病菌 / rice blast / 余剰染色体 / Supernumerary chromosome / 非病原性遺伝子 / Avirulence gene |
Research Abstract |
イネいもち病菌-イネ品種間特異性を支配する非病原性遺伝子の一つAvrPikはイネいもち病菌84R-62B菌株では余剰染色体(以下、1.6Mb染色体)に座乗する。本研究では、1.6Mb色体座乗配列をAFLPマーカーとしてクローニングを行う。さらに、84R-62Bと中国産イネいもち病菌Y93-245c-2の交配系で得られた1.6Mb染色体を保有し、AvrPikが失活したF1-327菌株を供試し、AFLPマーカーをプローブとしたRFLP分析により、変異部位、つまり、AvrPik座乗遺伝領域の特定を行い、クローニングを試みる。平成19年度は、先ず、F1-327の特徴付けを行ったところ、1.6Mb染色体にはAvrPikに加え、イネ品種K60に対する非病原性遺伝子も座乗することが明かとなった。さらに、興味深いことに、F1-327から体細胞分裂時に1.6Mb染色体自体が消失した菌株(以下、消失菌株)が得られ、本菌株のAvrPik失活は単なる塩基配列レベルの突然変異ではなく、1.6Mb染色体自体の消失変異に起因することが明かとなった。そこで、F1-327と消失菌株とのAFLPパターンの比較から、当初の予定よりも容易に該当するAFLPマーカーの単離が可能となった。また、野生のイネいもち病菌株について余剰染色体の特徴付けをおこなったところ、1.6Mb染色体と相同、かつ、AvrPikが失活した菌株が多数見い出された。そこで、当初の予定を変更し、AvrPik座乗遺伝領域特定のためのRFLP分析にはこれら野生菌株を用いることとした。現在、AFLPマーカーのクローニングを行うとともに、野生菌株を用いたRFLP分析に着手している。
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Research Products
(3 results)