2008 Fiscal Year Annual Research Report
イネいもち病菌の余剰染色体からの非病原性遺伝子AvrPikのクローニング
Project/Area Number |
19580050
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
草場 基章 Saga University, 農学部, 准教授 (90304881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土佐 幸雄 神戸大学, 農学研究科, 教授 (20172158)
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Keywords | Magnaporthe oryzae / rice blast / Avirulence gene / AvrPik / AvrPikm / Supernumerary chromosome |
Research Abstract |
イネの抵抗性遺伝子Pikに対応するイネいもち病菌の非病原力遺伝子AvrPikは変異性が高いこと、さらに、イネいもち病菌84R-62B菌株では余剰染色体(1.6Mb染色体)に座乗する等、興味深い性質を有する。また、本研究の成果から、本遺伝子は抵抗性遺伝子Pikpに対応するAvrPikpと極めて密に連鎖することが明らかとなった。また、過去の申請者らの研究から本遺伝子はPikmに対応するAvrPikmとも連鎖が示されている。これら抵抗性遺伝子は同一遺伝子座の複対立遺伝子であり、3つの非病原力遺伝子についても互いにホモログである等の関連が予想されていた。本年度は1.6Mb染色体特異的配列をプローブとしたスクリーニングにより本遺伝子のクローニングを計画したが、年度初頭に他の研究グループがAvrPikのクローニングに成功した。そこで、同クローンの分譲を受けて更なる検討を行った。84R-62B(3つの非病原力遺伝子を全て保有)とイネいもち病菌Y93-245c-2(全て保有しない)の交配子孫について同クローンをプローブとしたハイブリダイゼーション実験を行った。その結果、表現形から予想されるAvrPikの分離パターンと完全に共分離するハイブリダイゼーションバンドが観察された。また、これに加えていくつかのバンドが子孫菌株から検出されたが、この中には興味深いことにAvrPikmの分離パターンと完全に共分離するものが見出された。すなわち、本研究の成果により、 AvrPikのホモログとしてAvrPikmの同定に成功したものと考えた。現在、このAvrPikmと想定されるバンドのクローニングおよびAvrPikとの塩基配列の比較解析を進めている。
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Research Products
(2 results)