2008 Fiscal Year Annual Research Report
アブラムシの高次寄生蜂の行動制御 : 化学的機構の解明と生物的防除技術への応用
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19580054
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
仲島 義貴 Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine, 畜産学部, 准教授 (80322882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 哲也 農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター, 主任研究員 (20414625)
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Keywords | 生物的防除 / 寄生蜂 / 行動 |
Research Abstract |
高次寄生蜂Dendrocerus carpenteriは、アブラムシの一次寄生蜂に寄生する高次寄生蜂である。本種は既に寄生された寄主(既寄生寄主)を識別して産卵を回避する能力を持つ。産卵回避は先に寄生した高次寄生蜂が産卵時にマミー表面(寄主が入ったアブラムシの表皮)上に塗布したマーキング物質を利用して行われる。D. carpenteriは一次寄生蜂によるアブラムシの個体数抑制を阻害する要因であるが、このマーキング物質を用いてD. carpenteriの産卵行動を撹乱できる可能性がある。そこで本研究では、マーキング物質の抽出物から活性画分を分離し、その化学的特性の評価を行った。D. carpenteriが既寄生寄主の識別に用いるマーキング物質をメタノールで抽出し、高速液体クロマトグラフィーによって分画した。7つの画分に対して活性評価する実験を行ったところ、マーキング物質は触角での確認なしで感知できる揮発性の物質と、触角で確認しなければ感知することのできない非揮発性の物質の少なくとも2種類の物質から構成されていることが明らかとなった。さらに、これらの画分のうち日揮発性とおもわれる物質が含まれる画分を分画したところ、新たに3つの活性のある画分が存在することが明らかとなった。
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