2007 Fiscal Year Annual Research Report
センチニクバエを利用した簡便なトランスジェニック個体作成法の開発
Project/Area Number |
19580057
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安西 偕二郎 Nihon University, 薬学部, 教授 (30114359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 秀昭 日本大学, 薬学部, 講師 (90344069)
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Keywords | センチニクバエ / トランスポゾン / 遺伝子導入 / トランスジェニック / 昆虫利用 |
Research Abstract |
蛋白質の多品種大量生産が産業上のニーズとして存在し、遺伝子組換え個体の簡便な作成法ならびに生産性の高い蛋白質発現が求められるようになってきた。貯蔵蛋白質はセンチニクバエ幼虫の体液中で7割を占めるため、そのプロモーターを利用することにより目的の蛋白質を高い効率で得ることが出来ると考えられる。本研究では、体内への遺伝子導入にpiggyBac transposonを利用することにより、一部が生殖系列の細胞に取り込まれる条件を検討し、センチニクバエのトランスジェニック個体作製法を確立することを目的とする。この手法によって、微小な卵へのインジェクションなどの手間が省け、効率的に遺伝子組み換え個体が作成できるようになることが期待できる。 遺伝子組換え個体作製にあたり、まず飼育施設の整備を行った。飼育環境を一定にするため、日本医化器械製作所の動物個別飼育装置を購入し設置した。昆虫は飼育容器(虫かごやタッパウェア)の中で飼育することとし、この容器を二重扉の付いている動物個別飼育装置内に持ち込むことにした。個体の逃亡防止のため、装置の前面にナイロンメッシュで二重の蚊帳空間を作った。以上のようにして遺伝子組換え個体作製実験が出来る環境を整えることが出来た。 遺伝子導入に利用するpiggyBac transposonプラスミドベクターは、University of Notre DameのMalcolm J. Fraser, Jr.博士に分与していただいた。大腸菌とのシャトルベクターとして配布されており、大腸菌で大量に増やし、材料とするプラスミドを準備することが出来た。 以上のような準備の後、センチニクバエの飼育を開始した。遺伝子導入部位を検討するため、個体を解剖し、卵巣の位置を確認することが出来た。次年度は実際に遺伝子個体作製のための遺伝子導入検討を行う。
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