2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580060
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
谷合 幹代子 National Institute of Agrobiological Sciences, 制御剤標的遺伝子研究ユニット, 上級研究員 (60370665)
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Keywords | カイコ / 摂食行動 / オレキシン受容体 |
Research Abstract |
カイコBmOXRは、哺乳類の摂食亢進ペプチドであるオレキシンの受容体とアミノ酸残基が45.2%一致しているが、孵化後は眠中や蛹期および成虫期でも、脳・神経節と中腸で常に遺伝子発現しており、摂食行動との関連は今のところ不明である。BmOXRは第20染色体に位置する1遺伝子から6種類のスプライシングバリアント(345〜531アミノ酸残基)が転写しており、このうち2種類(BmOXRa、BmOXRb)は7回膜貫通領域を持つGPCRの特徴を備えていた。その他のバリアントも脳と中腸で発現しているが、発現量は極めて低いためか全長cDNAのクローニングが困難で、BmOXRaとBmOXRbが主に発現するものと考えられた。GFPとの融合蛋白質としてHEK293細胞で発現させたBmOXRbは、細胞膜に局在していた。HEK293細胞で発現したBmOXRaとBmOXRbはヒトオレキシン(1〜100nM)に応答しないことが分かった。現在この発現系を用いて、カイコの既知の神経ペプチドについてリガンド検定を行っている。BmOXRのN末端側細胞外ドメイン(バリアント共通部分)に対する抗ペプチド抗体を用いたウエスタンブロッティングにより、中腸にBmOXRaのサイズに相当するバンドが検出されたが、脳・神経節では完全長に相当するバンドは検出できなかった。発現量はすべてのバリアント共に非常に低く、in situ法により発現細胞を特定することはできなかった。また、コクヌストモドキの頭部cDNAから類似配列を持つGPCR遺伝子(Tc37)をクローニングし、RACE法によりスプライシングバリアントは無いこと、in situ法により中腸の一部で発現することが分かった。Tc37についても、HEK293細胞を用いてリガンド検定を行っている。
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