2008 Fiscal Year Annual Research Report
腐朽有機物由来の易溶性腐植物質の性状解明と土壌中での動態解析
Project/Area Number |
19580063
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
青山 正和 Hirosaki University, 農学生命科学部, 教授 (60150950)
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Keywords | 腐植物質 / 土壌 / 堆肥 / 植物遺体 / 腐朽有機物 / 腐植酸 / フルポ酸 / DRIFTスペクトル |
Research Abstract |
1. 微量の易溶性腐植物質の解析法として、電気泳動法が適用可能かどうかを検討した。尿素を含むゲルを用いてポリアクリルアミド電気泳動を行うと、腐植酸画分、フルボ酸画分ともに分子量に基づく分画が可能であった。市販のゲルストリップを用いた等電点電気泳動を検討したところ、腐植酸画分には適用が可能であったが、フルボ酸画分について適用が困難であった。さらに、等電点電気泳動とポリアクリルアミドゲル電気泳動を組み合わせた二次元電気泳動によって腐植酸画分を多くめ成分に分離可能であることが示された。 2. インキュベーション実験とカラム実験によって易溶性腐植物質の土壌中での挙動を検討したところ、土壌に添加した有機物のC/N比が低いほど、土壌中での分解過程における易溶性腐植物質の生成量が多く、下層に移動する量も多いことが認められた。 3. 堆肥が混合施用されているリンゴ園と堆肥が土壌表面に施用されているリンゴ園において、圃場条件下における易溶性腐植物質の土壌中での挙動を検討したところ、混合施用では易溶性腐植物質の土壌中への集積は明らかではなかったが、土壌表面に施用すると土壌表層への易溶性腐植物質の集積が明らかに認められた。 4. リンゴ園土壌に集積している銅の可溶化に対する腐朽有機物由来の易溶性腐植物質の効果を調べたところ、腐朽有機物由来の易溶性腐植物質が銅の可溶化を促進し、とりわけ腐植酸画分の効果が大きいことが判明した。
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Research Products
(3 results)