2008 Fiscal Year Annual Research Report
オオムギ葉における低親和性硝酸イオントランスポーターの機能解明
Project/Area Number |
19580065
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
末吉 邦 Niigata University, 自然科学系, 准教授 (10216278)
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Keywords | オオムギ / 硝酸イオン / 輸送 / トランスポーター |
Research Abstract |
オオムギ葉における低親和性硝酸トランスポーター(HvNRT1)の機能解明を日的とし、申請者らによって単離されたHvNRT1遺伝子の分子的機能解析を行い、以下の結果を得た。 (1)HvNRT1を発現させたアフリカツメガエル卵母細胞の硝酸輸送解析 HvNRT1cRNAをインジェクションし、HvNRT1を発現させたアフリカツメガエル卵母細胞を、10mMおよび0.25mMの硝酸イオンを含む培養液でインキュベートし、硝酸イオンの吸収活性を測定した。その結果、HvNRT1cRNAをインジェクトした卵母細胞は10mM硝酸イオン濃度において、waterインジェクトした卵母細胞と比較して約2倍の硝酸イオン吸収量がみられた。一方、10mM硝酸イオン濃度においては硝酸イオン吸収が見られなかった。よってNvNRT1遺伝子は、硝酸イオンに対し低親和性輸送活性のみを持つことが示された。 (2)HvNRT1を発現させたアフリカツメガエル卵母細胞の電気生理的解析 HvNRT1cRNAをインジェクションし、HvNRT1を発現させたアフリカツメガエル卵母細胞に、膜電位測定用電極を刺した後、10mMの硝酸イオンを含む培養液を加え、膜電位の変化を測定した。その結果、膜電位は硝酸イオンの添加によって上昇し、硝酸イオン輸送に伴うプロトンの輸送が生じていることが示唆された。 以上のことより、HvNRT1が明らかに硝酸イオンの低親和性輸送活性を有することが明らかにできた。
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