2007 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー代謝系遺伝子変異体を用いた共生窒素固定効率制御機構の解析
Project/Area Number |
19580067
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
田島 茂行 Kagawa University, 農学部, 教授 (50116894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東江 美加 (野村 美加) 香川大学, 農学部, 准教授 (50294749)
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Keywords | バクテロイド / ダイズ / 根粒菌 / 共生窒素固定 / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
根粒菌が土壌中で生活しているスタイルから共生スタイルへ変化する時のタンパク質の変化について網羅的に解析を行った。根粒は感染後7,10,14,21,28,49日目の根粒を採取し、それぞれの根粒からバクテロイドを抽出した。比較として根粒菌タンパク質も抽出した。ダイズ根粒バクテロイドタンパク質は、パーコール密度勾配により分画した。その後二次元電気泳動を行いCBB染色後ゲルからタンパク質を切り出し、ペプチドマスフィンガープリント(PMF)法によりタンパク質の同定を行った。それぞれの二次元電気泳動ゲルはイメージマスターを用いて画像解析を行った。278個のアノテーションによるタンパク質スポットのうち、167個のタンパク質を同定することが出来た。窒素固定が活発な感染後21日、28日目に増加するタンパク質をコードしている遺伝子にストレプトマイシン、スペクチノマイシン耐性遺伝子を挿入した遺伝子破壊株の作成を行った。この変異株をダイズに感染させ、窒素飢餓の症状が観察されるか調べた。その結果、NAD-malic enzymeを欠損させた根粒菌をダイズに感染させると、ダイズ根粒のアセチレン還元活性の低下が見られダイズに窒素欠乏の症状が観察された。NAD-malic enzyme欠損株(DME::Ω)根粒に蓄積している有機酸量を野生株根粒と比較した結果、DME::Ω根粒でリンゴ酸やαケトグルタル酸の蓄積量がそれぞれ、1.5倍、3倍増加していた。
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