2007 Fiscal Year Annual Research Report
窒素固定共生系における根粒菌のバクテロイド化の分子メカニズム
Project/Area Number |
19580072
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
河内 宏 National Institute of Agrobiological Sciences, 植物科学研究領域・植物・微生物間相互作用研究ユニット, 上級研究員 (50391561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅原 洋佐 植物科学研究領域植物, 微生物間相互作用研究ユニット, 主任研究員 (00391558)
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Keywords | 窒素固定 / 植物・微生物間共生 / バクテロイド / ミヤコグサ / Fix-変異体 |
Research Abstract |
マメ科植物と根粒菌の共生による窒素固定系において、根粒菌の窒素固定活性発現を制御する宿主植物遺伝子と、それらによって担われる植物、微生物間相互作用のメカニズムを解明することを目標としている。そのために、共生が成立し根粒を形成するが、窒素固定活性がきわめて低い、または発現しないミヤコグサFix-変異体の解析を通じて、根粒菌の細胞内共生体(バクテロイド)化のメカニズムを明らかにすることを目指す。ミヤコグサFix-変異体のうち、これまでの研究で原因遺伝子がクローニングされている、ign1、sen1、fen1各変異体、および対照としての△nifH根粒菌によって形成された無効根粒および野生型根粒を対象として、ミヤコグサのEST約18、000種を含むcDNAマクロアレイを用いて、根粒形成初期、および成熟根粒での遺伝子発現プロファイルを比較解析した。ΔnifH菌による無効根粒との比較によって、窒素固定活性が低い、または全くないことに起因する遺伝子発現変動と、それぞれの変異体を特徴付ける遺伝子発現変動を区別して検出することが出来た。また、原因遺伝子が未知のいくつかのFix-変異体を含めて、これら変異体根粒の内部構造を、特にバクテロイド分化、シンビオゾームの形態に注目して、光学および電子顕微鏡レベルで比較観察し、各変異体に共通してシンビオゾームの肥大、それに引き続く感染細胞質の崩壊を認めたが、それら異常の発現のタイムコースは変異体ごとに異なっていた。また一部の変異体では、バクテロイド自体の形態異常を認めた。次年度にはこれら変異体のバクテロイド側の遺伝子発現プロファイリングを行う予定である。
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Research Products
(6 results)