2007 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体型アルドラーゼのグルタチオンによる制御の分子機構とその生理的意義
Project/Area Number |
19580073
|
Research Institution | Research Institute for Biological Science Okayama |
Principal Investigator |
小川 健一 Research Institute for Biological Science Okayama, その他, 研究員 (70344405)
|
Keywords | グルタチオン / 二酸化炭素固定 / 光合成 / レドックス / 暗反応 / アルドラーゼ / バイオマス増産 / 収穫量向上 |
Research Abstract |
本研究では、グルタチオン化タンパク質のひとつである葉緑体型フルクトース-1, 6-ビスリン酸アルドラーゼ(FBA)のグルタチオンによる活性制御機構を解明し,その制御の生理学的意義を明らかにすることを目的とし,さらにはその知見を利用した,植物の成長改善技術の提供を目指している。グルタチオン化されるFBA(以下、FBA1と称する)は、還元型グルタチオン(GSH)および酸化型グルタチオン(GSSG)のどちらによってもグルタチオン化されて活性化されるが、そのFBA1には4つのシステイン残基が存在する。Cys残基をAla残基に置換した点変異型組換えFBA1タンパク質を大腸菌にて作製し、GSHおよびGSSGによる活性化に寄与するシステイン残基を同定した。さらに、点変異型FBA1を用いて、DTTおよびTrxによるFBA活性の抑制に関与するシステイン残基の同定を試みた。その結果、Trx、GSHおよびDTTによる効果の違いがあるものの、Trx、GSH、DTTで活性に影響を与えるシステイン残基は共通であることが明らかになった。一方、グルタチオン化を受けるシステイン残基の植物体内の重要性を調べるために、その変異型FBA1の遺伝子をシロイヌナズナで発現させ、それぞれのシステイン残基の意義を植物で評価する準備を進めた。その植物は、H20年度に明らかにする予定のFBA1との相互作用因子との結合や役割との関係を調査するためにも利用する予定である。また、シロイヌナズナにはFBA1のホモログが2つある。そのホモログとの発現時期や部位の違いを明らかにして、役割の違いを明らかにするために3つのFBAのアイソザイムを識別する抗体の作製も完了した。
|