2008 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体型アルドラーゼのグルタチオンによる制御の分子機構とその生理的意義
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19580073
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Research Institution | Research Institute for Biological Science Okayama |
Principal Investigator |
小川 健一 Research Institute for Biological Science Okayama, 植物レドックス制御研究グループ, グループ長 (70344405)
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Keywords | グルタチオン / 二酸化炭素固定 / 光合成 / レドックス / 暗反応 / アルドラーゼ / バイオマス増産 / 収穫量向上 |
Research Abstract |
FBA1のグルタチオン化を制御する内生因子 大腸菌のグルタレドキシン(Grx)がグルタチオン化によるFBA1の活性化を促進することを予備実験によって示していたが、Grxおよびそのファミリーは葉緑体にも存在することから、実際の葉緑体からFBA1と相互作用する因子の同定を試みるため、Tag付のFBA1を発現した植物体を作製した。tag付きの植物の表現型をチェックしたのち、H21年度に免疫沈降に供する予定である。一方、植物からの抽出画分をNative PAGE後、Western blot解析を行うと、FBA1のバンドは、他のFBAアイソザイムよりも高分子側にシフトしていたことからも、何らかの相互作用因子の存在が示唆された。 FBAのアイソザイム間の性質の違い FBA1と相同性を有するタンパク質は、シロイヌナズナのゲノムには2つコードされており(以下,FBA2およびFBA3と称する),少なくともプラスチドには3つのアイソザイムが存在するが、FBA1の発現量は全アイゾザイムの発現量の2%以下であった。しかし、FBA2とFBA3の完全なKOラインが存在し、それらのKOラインは土での生育ができるが、FBA1の完全なKOラインは存在しなかったことから、生育に必須であると考えられた。また、イネのTos17変異体系統にもFBA2とFBA3のオルソログのKOラインは存在するが、FBA1のオルソログにあたる遺伝子の変異体が存在しないことからもその重要性は明らかである。
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