2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580075
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
五味 勝也 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (60302197)
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Keywords | 菌類 / 遺伝子 / 発現制御 / 転写開始機構 / 解糖 |
Research Abstract |
(1) 液体培養と固体培養で培養した菌体から調製したRNAを用いて、5'-SAGEを行うことにより発現遺伝子の網羅的な転写開始点解析を行い、得られた解析データのゲノム情報へのマッピングを行った。その結果、エノラーゼ遺伝子(enoA)の固体培養における主要な転写開始点は翻訳開始点の上流-518ntに位置していること、また液体培養での転写開始点は主として-43ntおよび-36ntの2個所であることが明らかとなった。また、同様にグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素遺伝子(gpdA)についても、上流および下流の転写開始点を特定することができた。 (2) enoA遺伝子のプロモーター領域の欠失変異株を作製し、グルコースおよび酢酸を単一炭素源とする培地で培養した際のレポーター活性を測定した。酢酸培養においては、翻訳開始点上流の-696ntまで欠失させた場合にプロモーター活性の低下が認められ、それ以降は-121ntまで同レベルで活性は維持された。一方、グルコース培養では、-224ntまで欠失させてもプロモーター活性の低下はほとんど観察されず、-121ntまでの欠失で活性の著しい低下が認められた。酢酸のような糖新生を伴う炭素源存在下では、-700ntより上流のシスエレメントが転写開始に関わっており、この配列がない場合にはグルコースと同じように下流のシスエレメントを利用して転写が行われることが示唆された。 (3) enoA遺伝子のプロモーター領域のゲルシフト解析によって、グルコース存在下では翻訳開始点の上流-200nt近辺に存在する配列がシスエレメントとして機能することが明らかとなり、プロモーターの欠失解析による結果と一致した。また、-600ntおよび-550ntの周辺配列に結合するタンパク質があることが示唆されており、上流からの転写にこれらの配列の関与の可能性が示唆された。
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