2008 Fiscal Year Annual Research Report
藍藻グループ3型シグマ因子により認識されるプロモーター新規配列の解析
Project/Area Number |
19580078
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
朝山 宗彦 Ibaraki University, 農学部, 准教授 (50231907)
|
Keywords | シアノバクテリア / 転写 / RNA polymerase / シグマ因子 / プロモーター / pilA / pixJ / SigF |
Research Abstract |
本研究課題は、モデル光合成生物であるシアノバクテリア(藍藻)の一種Synechocystis sp. PCC 6803株の転写装置(RNA polymerase, RNAP)におけるシグマ因子(σfactor)SigFに着目し、これまで光合成生物において全く知られていなかったグループ3型シグマ因子のプロモーター認識能について解析することを目的としている。 平成19年度に引き続き、二年目にあたる平成20年度も研究計画書に基づき実験を遂行し、多くの新しい知見を得た。特に、繊毛形成や運動性に関与するpilA遺伝子プロモーターPpilA1-54の配列に7bpならびに3bpの変異を導入し、これを鋳型DNAとするin Vitro転写系に精製RNAP-SigFを添加することによって、プロモーター認識能を検証することに成功した。その結果、SigFシグマ因子が認識する重要なコア配列が(転写開始点を+1として)-32(TAGCC)と-12(GGTAA)領域であることを突き止めた。更に、SigFシグマ因子の標的プロモーターを全ゲノム配列から相同性検索で絞り込み、SigF、pixJ1(光受容体ファイトクロム様遺伝子)、Slr0837(ペリプラズム蛋白質様遺伝子)を候補として同定し、実際これら遺伝子プロモーターがSigFにより認識されていることを証明すると同時に、それら遺伝子プロモーター群においても、保存された共通の配列が存在することを示した。 前年度の解析結果も含め、SigFによるプロモーター新規配列の厳密な認識能についてまとめ、それら成果の一部を学会発表やホームページで公表した。さらに英語論文として、英国の学術雑誌Nucleic Acids Researchに投稿し、採択・公開された。
|
Research Products
(3 results)