2007 Fiscal Year Annual Research Report
パントテン酸キナーゼによる古細菌の細胞内コエンザイムA調節機構の解明
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19580079
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
長南 茂 Ibaraki University, 農学部, 准教授 (70312775)
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Keywords | パントテン酸キナーゼ / 古細菌 / コエンザイムA |
Research Abstract |
本研究の長期的な最終目標は全生物の細胞内コエンザイムA濃度の調節機構を解明することである。5段階から構成されるコエンザイムA生合成系は、通常初発反応を触媒するパントテン酸キナーゼによって調節されており、真性細菌で3つのタイプ、真核生物で1つのタイプの存在が報告されている。しかしながら、古細菌ではパントテン酸キナーゼが未だに見つかっておらず、古細菌のコエンザイムA調節機構はブラックボックスのまま残されていた。そこで、研究代表者は古細菌パントテン酸キナーゼ遺伝子の探索研究を計画した。 平成19年度は、パントテン酸キナーゼ遺伝子に変異があるために30℃では生育できるが37℃では生育できないという性質を持つ大腸菌のパントテン酸キナーゼ温度感受性変異株を用いた生育相補テストおよびタンパク質の相同性/モチーフ検索などバイオインフォマティクス的手法を用いた解析によって、古細菌パントテン酸キナーゼ遺伝子のクローニングを行った。DNA供与体としては、メタン生成古細菌、高度好塩古細菌、および好熱性古細菌のゲノムDNAを使用した。その結果、好熱性古細菌のゲノムDNA上にパントテン酸キナーゼの候補遺伝子を見出した。しかしながら、本遺伝子を持つプラスミドは37℃での大腸菌パントテン酸キナーゼ温度感受性変異株の生育相補に対して偽陽性で、不明瞭な点が残された。そこで、現在は本遺伝子産物の大腸菌での大量発現系を構築し、組換えタンパク質の酵素活性からパントテン酸キナーゼ遺伝子の同定を試みている。また、生物活性からの同定も重要であるため、並行して、本遺伝子を高コピーのクローニングプラスミドに連結し、大腸菌パントテン酸キナーゼ温度感受性変異株での生育相補テストも試験している。
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Research Products
(1 results)