2008 Fiscal Year Annual Research Report
立体構造に基づく埴物および微生物ファミリー19キチナーゼの比較機能解析
Project/Area Number |
19580084
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
渡邉 剛志 Niigata University, 自然科学系, 教授 (10201203)
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Keywords | キチナーゼ / ファミリー19 / 活性ドメイン / キチン吸着ドメイン / イネ / 放線菌 / ループ構造 |
Research Abstract |
立体構造に基づいて植物と微生物のファミリー19キチナーゼを比較解析し、それぞれのキチナーゼの構造と機能の相関を解明するとともに、応用への足がかりをつくることが本研究の目的である。平成19年度は、イネと放線菌のファミリー19キチナーゼ(Cht2とChiC)の活性ドメインとキチン吸着ドメインの構造を詳細に比較し、それぞれの酵素の間に見い出された局所構造の違いが酵素機能に与える影響を解析した。その結果、Cht2の活性クレフト近傍に存在するループIIが+3サブサイトを形成していることを明らかにした。また、ChiCのキチン吸着ドメイン表面に露出したTrp59とTrp60の周辺残基のうち、Thr43, Glu64, Gln62, Asp70が吸着に関与する事を明らかにした。平成20年度は、19年度のデータを基礎に、Cht2のループIIがキチン分解生成物に与える影響を重点的に解析した。その結果、ループIIの欠失により4糖以上のキチンオリゴ糖が顕著に減少し、ループIIは生理活性が顕著な4糖以上の長鎖キチンオリゴ糖の生成に重要な役割を果たしていることがわかった。また、ループIIと活性クレフトの反対側に存在するループIVも同様な機能を果たしていることが強く示唆された。これらの結果は、植物クラスIキチナーゼがキチンエリシター産生において中心的役割を果たしていることを示唆する非常に重要な成果である。
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