2007 Fiscal Year Annual Research Report
各種環境に棲息する亜硝酸酸化菌の純粋分離および新規分類指標の開発
Project/Area Number |
19580096
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高橋 令二 Nihon University, 生物資源科学部, 准教授 (70197193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳山 龍明 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90059684)
中川 達功 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (40434104)
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Keywords | 亜硝酸酸化菌 / norB / 新規分離 / 分布解析 / 微生物群集構造解析 / DGGE / Nitrobacter |
Research Abstract |
本研究は、広汎な自然環境に棲息し、硝化の後段に関与する有用な菌種でありながら、単一菌として分離されている菌株はごくわずかであり、菌株保存機関での保有数も非常に少ない亜硝酸酸化菌(NOB)に着目した。有用遺伝子資源の探索とその応用を視野に入れ、自然界での分布を解析するために、以下の各点について解明しようとするものである。第一に、各種環境からNOBの新規分離菌株を多数獲得することにより、菌学的性質の検討のための対象菌株の充実をはかる。第二に、NOBの新規分類指標の探索、開発を行なう。第三に、新規分類指標による分子系統分類を確立し、非培養系解析への応用を試みる。本年度は、以下の成果を得るに至った。 1.新規分離株の分離同定:当研究グループが改良・確立した、平板培地のゲル化剤にゲランガムを用いた分離法を用い、酸性硫酸塩土壌、海水、深海堆積物、植物による汚水浄化装置内の排水、脱臭装置、また、同じく我々が考案・確立した植物根面環境由来物の調製法により得られた根面液等を分離源として、独立栄養性の亜硝酸酸化菌の純粋分離を行った。単一菌として酸性硫酸塩土壌環境由来の分離源から新規分離株2株が得られた。16SrRNA遺伝子による系統分類によりいずれもNitrobacter属と同定された。電子顕微鏡による形態観察、培養特性については解析中である。引き続き他の分離源についても分離を進行中である。 2.新規分離NOBおよび当研究グループにより既に得られている多数の分離菌から、亜硝酸還元酵素(NOR)の構成サブユニットのうちの一つをコードするnorBのクローン化および塩基配列決定を行いプライマー設計の基本情報として累積するとともに分子系統分類を行なった。今後非培養解析への応用に向けてプライマー設計および環境サンプルのDGGE解析の基礎的条件の検討に入る。
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Research Products
(4 results)