2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580100
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Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Principal Investigator |
北本 宏子 National Institute for Agro-Environmental Sciences, 生物生態機能研究領域, 主任研究員 (10370652)
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Keywords | 応用微生物 / シグナル伝達 / 抗生物質 / キチン合成酵素 / PKC経路 |
Research Abstract |
本研究では、酵母由来の抗菌蛋白質zymocinが、感受性酵母の細胞表層に結合後、細胞内に毒素サブユニットを侵入させる機構を明らかにする。提案者は、現在、zymocinの侵入過程を次のように推測している。「zymocinのキチナーゼ活性で細胞表層がかく乱されると、細胞表層の再構築が誘導される。その際細胞壁合成酵素が細胞内・表層を循環する。このメンブラントラフィックを利用して、毒素ドメインが細胞内に侵入する。」本研究ではこの仮説を検証するために、zymocin処理をした出芽酵母細胞を用いて、zymocinと細胞壁合成酵素の細胞内局在変化を解析することで、その侵入過程を明らかにする。 細胞のキチン合成酵素Chs3pの局在輸送が、zymocin処理によりかく乱されること、細胞表層のChs3pが細胞内輸送される際に、zymocinサブユニットが細胞内に侵入する可能性を想定している。R.Scheckmanらは、Cell wall integrity経路の上流に位置するRho1とPkc1がChs3の局在を変化させることを示している。平成20年度は、ZymocinによってRho1とPkc1の下流にあるMAPキナーゼであるMpk1がリン酸化(活性化)されることが確認されたが、Mpk1遺伝子破壊株でも、ZymocinによるChs3の細胞内局在変化は生じていた。従って、ZymocinによるChs3の細胞内局在変化も、Rho1とPkc1が支配している可能性が高く、21年度にその確認を行う。また、Mpk1遺伝子破壊株はZymocin耐性を示したため、zymocinが細胞内に侵入する程度に変化があるか解析を試みた。しかし、今回細胞内局在変化を観察した1時間のzymocin処理では、細胞内のzymicinがウエスタン解析で検出できるほど高くはならなかった。
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Research Products
(4 results)