2007 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質架橋反応を担う酵素群の最小基質配列の解明と活用
Project/Area Number |
19580103
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
人見 清隆 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (00202276)
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Keywords | 基質配列 / ファージディスプレイ / 蛋白質架橋 |
Research Abstract |
トランスグルタミナーゼはタンパク質どうしのグルタミン残基とリジン残基とを架橋化する酵素である。この酵素には、様々な生理学的機能(血液凝固、細胞死、表皮形成など)がある。また、生体内には8つのアイソザイムが、それぞれの組織で役割分担をしながら機能していると考えられている。しかしその全容は明らかではなく、その理由のひとつに架橋反応を起こす基質について未だ不明な点が多い。基質の同定(検索)だけでなく、酵素が反応しやすい配列を網羅的に検索することが必要と考えられていた。 研究代表者は、この酵素の2つのアイソザイムを対象に、これまで高い反応性の基質配列をランダムなペプチドから検索する実験系を構築しており、今研究課題では研究の目的として、これまで得られた配列の特徴解析(さらなる高い反応性の獲得)と、他のアイソザイム(皮膚表皮特異的トランスグルタミナーゼのうちアイソザイム2種)を対象として、スクリーニングを行った。その結果、1種(TGase 1)について、皮膚特異的な高い反応性配列を得ることに成功した。今後は、ヒトおよびマウスの皮膚表皮に存在する、トランスグルタミナーゼの高感度な活性を測定するシステムの開発をめざして行うが、すでに19年度に予備的に成功的な結果を得ている。 また、従来得られていた配列を用いて、機能をもった蛋白質について配向性を保ちながら、架橋酵素反応によって、固相化(ゲルに結合)できる系をさらに詳細に検討し、最適条件の設定を完了した。20年度はさらに、固相化する対象を拡大する予定である。
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Research Products
(5 results)