2007 Fiscal Year Annual Research Report
組換えAMV逆転写酵素発現系の構築と蛋白質工学による生産性、活性、熱安定性の向上
Project/Area Number |
19580104
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
保川 清 Kyoto University, 農学研究科, 准教授 (30397559)
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Keywords | ウイルス / 核酸 / 酵素 / 酵素反応 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
平成19年度の成果として、(1)大腸菌を宿主として、AMVRTのαサブユニットとシャペロンタンパク質であるトリガーファクターの融合タンパク質を発現させると、菌体内に可溶性タンパク質として発現した。この融合タンパク質をプロテアーゼで切断し、AMVRTを部分精製した。一方、 AMVRTのαサブユニット、βサブユニット、αβサブユニットを単独発現あるいはシャペロンタンパク質と共発現させたが、発現条件に関係なく常に菌体内に不溶性タンパク質として発現した。(2)昆虫細胞を宿主として、AMVRTのαサブユニットを発現させると、細胞内に可溶性タンパク質として発現し逆転写活性を有した。(3)大腸菌を宿主としてモロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(MMLVRT)を発現させると、菌体内に可溶性タンパク質として発現し逆転写活性を有した。さらに、菌体からMMLVRTを均一になるまで精製した。(4)RIを使用する逆転写活性測定法を用いて、市販のAMVRT(非組換え酵素)と上記MMLVRTについて速度論的解析を行い、両者の熱安定性を比較した。本研究の目的「大腸菌を宿主とした組換えAMVRTの発現系を構築し、さらに蛋白質工学を駆使してAMVRTの生産性、酵素活性、熱安定性を向上させ、実用化につなげること」に照らすと、(1)〜(3)は発現系の構築、(4)は活性評価に関連する成果であり、特に(1)と(4)は重要である。一方、平成19年度の研究実施計画については、「市販酵素を用いた速度論的解析」は当初計画が達成されたが、「発現法と精製法の構築」は達成されなかった。なお、研究成果(3)と(4)は、論文(1件)および学会(2件)で発表した。
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