2007 Fiscal Year Annual Research Report
アセロラにおけるアスコルビン酸の生合成と大量集積機構の解明
Project/Area Number |
19580108
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
江坂 宗春 Hiroshima University, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (70151975)
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Keywords | アスコルビン酸 / アセロラ / 遺伝子発現 / ストレス抵抗性植物 / cDNA / ビタミンC / クローニング / 酵素 |
Research Abstract |
本研究では、アスコルビン酸含量が驚くほど高いトロピカルフルーツであるアセロラのアスコルビン酸生合成に着目し、アセロラのアスコルビン酸生合成経路を調べるとともに、アスコルビン酸の生合成を律速すると考えられているアスコルビン酸生合成酵素の酵素化学的特質や遺伝子発現を解析し、アセロラが、どうして、どのような機構で、大量のアスコルビン酸を生合成し、その果実に集積することができるのかを明らかにすることを目的とした。 まず、アセロラにおけるアスコルビン酸生合成酵素の発現様式の解析を行った。アセロラのアスコルビン酸生合成酵素であるGDP-D-マンノースピロホスホリラーゼのcDNAについて、RT-PCR法、RACE法を用いてクローニング後、ノーザンブロッティングおよびリアルタイムPCR法により、アセロラ植物体の各組織のGDP-D-マンノースピロホスホリラーゼmRNAの発現様式を調べた。また、L-ガラクトノ-γ-ラクトン脱水素酵素のcDNAについても、RT-PCR法、RACE法を用いてクローニングし、ノーザンブロッティング、リアルタイムPCR法により、L-ガラクトノ-γ-ラクトン脱水素酵素のmRNAの発現量も調べた。その結果、アセロラではGDP-D-マンノースピロホスホリラーゼの発現量が非常に高く、また、その発現量とアスコルビン酸含量との間に正の相関が示された。アセロラにおいて、GDP-D-マンノースピロホスホリラーゼがアスコルビン酸の生合成を律速する酵素であることが示唆された。一方、L-ガラクトノ-γ-ラクトン脱水素酵素mRNAの発現とアスコルビン酸含量は必ずしも相関せず、L-ガラクトノ-γ-ラクトン脱水素酵素が、アセロラのアスコルビン酸の生合成を調節するかどうかは不明であった。
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