2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580111
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
森上 敦 Meijo University, 農学部, 教授 (10211608)
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Keywords | 植物遺伝子 / 突然変異体 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
糖応答性プロモータにルシフェラーゼ遺伝子を結合した融合遺伝子(sGsL)を導入した形質転換シロイヌナズナを用いた研究から得られた29の変異体の中から、hsi9およびhsi13についての解析を進めた。 HSI13の原因遺伝子は、染色体5番の上腕に存在することがマッピングにより示されたことから、以前同じ領域にマップされたhsi20変異株との間で相補テストを行った。その結果hsi13とhis20はアリルであることが明らかになった。この領域には形質を確認するために導入したsGsL融合遺伝子もこの領域に存在するので、hsi13およびhsi20のゲノム中にあるsGsL融合遺伝子の塩基配列の決定を行った。しかし、変異は検出されなかった。hsi13もhsi20も遺伝学的には劣性であるが、融合遺伝子の発現量については、低糖濃度でも高いことがわかっている。よって、hsi13/hsi20の原因遺伝子は、sGsL極近傍にある、導入遺伝子とは異なる遺伝子の変異によってもたらされたものと判断された。これらの遺伝子については現在ファインマッピングを鋭意進めているが、まだ変異箇所を同定するには至っていない。 hsi9は、hsi12に表現型が似ている変異株であることがわかっていたが、今回、hsi9とhsi12は同じPGM遺伝子の変異であること、また、hsi9はhsi12と同じ塩基には変異が存在しないことが明らかにたった。 このほかに、昨年度単離した、根端のデンプン蓄積が異常となった変異株についても解析を進めた。デンプン粒の大きさが大きくなった変異株についてはその解析の結果、その原因遺伝子は既知のWGD遺伝子であることが明らかになった。WGD遺伝子は、プラスチド内のデンプンを分解しやすくする酵素の遺伝子をコードしており、デンプン分解に重要な働きを持つ。
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