2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580113
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
今高 寛晃 The Institute of Physical and Chemical Research, ヒト翻訳システム研究チーム, チームリーダー (50201942)
|
Keywords | 再構成 / タンパク質合成 / 翻訳 / ほ乳動物細胞 / セルフリー合成 / 翻訳因子 / 翻訳開始 / ペプチド合成 |
Research Abstract |
平成19年度はほ乳動物タンパク質合成系を試験管内で再構成するための材料、つまりすべての翻訳因子を合成し精製した。それに伴うタンパク質合成システムの改善も行った。まず、難関であったeIF3の合成、精製に成功した(Masutani, et. al.EMBO J.26:3373)。この因子は11個のサブユニットから成る。そこで、バキュロウイルスと昆虫細胞を用い、すべてのeIF3サブユニットを同時に発現することにより完成型eIF3を合成し、精製した。翻訳延長因子としては、eEF2とeEF1A/1Bα/1Bγを発現、精製する必要があった。eEF2はバクテリアをはじめ、どのシステムを用いても合成の収量は低かった。そこで、ヒト細胞由来セルフリーシステムを改良し(三上その他、第30回日本分子生物学会)、eEF2の合成を試みたところ、このセルフリーシステムを用いることにより精製可能なレベルのeEF2の得ることに成功した。もうひとつの翻訳延長因子はeEF1A/1Bα/1Bγの三量体である。この複合体を合成するために新たな複合体合成システムを開発した(舛谷その他、第30回日本分子生物学会)。それは、ワクシニアウイルスを用いて動物細胞で複合体を発現するシステムである。このシステムを用いて、eEF1A/1Bα/1Bγ三量体を合成、精製することに成功した。また、翻訳終結因子eRF1とeEF3もワクシニアウイルスを用いて発現し、精製した。他の翻訳因子はすべて発現、精製が前年度までに完了している。従って、ほ乳動物タンパク質合成系の試験管内再構成に必要なタンパク質成分の調製はすべて完了した。
|
Research Products
(4 results)