2008 Fiscal Year Annual Research Report
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19580113
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
今高 寛晃 University of Hyogo, 大学院・工学系研究科, 教授 (50201942)
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Keywords | 再構成 / タンパク質合成 / 翻訳 / ほ乳動物細胞 / セルフリー合成 / 翻訳因子 / 翻訳開始 / ペプチド合成 |
Research Abstract |
平成20年度は翻訳因子の発現、精製の効率化を行った。特にヒト細胞抽出液由来セルフリーシステムによる翻訳延長因子そしてeIF4Gの合成の効率化を行い、絶えず供給できる体制を整えた(Mikami et al.2008)。特に延長因子のひとつであるeEFGは生きた細胞で発現させようとしても微量しか発現せず、再構成系完成への難関であった。これは生きた細胞にとってeEFGが高濃度では毒性を示すためであると思われる。ヒト細胞抽出液由来セルフリーシステムを用いると細胞毒とは無関係に発現すると考えられる。また、eIF4Gのような大型タンパク質(1500アミノ酸以上)は一般的に発現するのが難しく、これも再構成系完成へのネックとなっていた。ヒト細胞抽出液由来セルフリーシステムは我々の予想を上回る程大型タンパク質の合成に効力を発揮し、eIF4Gなどの翻訳因子の供給に貢献した。 また、アミノアシルtRNA合成酵素群の精製を行った。結果的にはまだ成功に至っていない。原因はヒト細胞(真核細胞)のアミノアシルtRNA合成酵素は複合体を形成しており、単独では働かないことであると思われる。従って大腸菌の再構成システム(PURE)で用いられている方法(一つ一つの酵素を大腸菌で発現、精製する)は使えない。そこで複合体をまとめて(一度に)精製していく方法を模索中である。ひとつの方法としてアミノアシルtRNA合成酵素の一つにFLAGタグを付加し、それを293細胞で発現させ、FLAGクロマトグラフィーにて複合体をまるごと精製する、という方法がある。
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