2007 Fiscal Year Annual Research Report
フィリピン産紅藻カタオゴノリ由来の新規プロスタグランジン類の単離、構造、生理活性
Project/Area Number |
19580119
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山下 まり Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (50192430)
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Keywords | プロスタノイド / カタオゴノリ / 構造決定 / ESI-MS |
Research Abstract |
植物におけるプロスタノイドの代謝経路およびその存在意義は解明されていない。本研究では、食用とされるフィリピン産紅藻カタオゴノリGracilaria edulisをESI MSのフラグメントパターンで精査した結果、多量に存在するプロスタグランジン類のPGE2. PGF2alpha,PGB2以外に、新規のプロスタノイドの存在を認めた。その高分解能FABMSより分子式を決定し、分子量は366であることが示された。試料のG. edulisの量が限られたが、抽出方法や緩衝液(ammonium formate)を用いた逆相クロマトグラフィーと多波長検出より、数本のカラム(Cosmosil 5C18AR, Develosil ODS SR-5)を組み合わせて、約0.2mgであったが、単離に成功した。これを用いてVarian600MHzコールドプローブのNMRによるCOSY, NOESY, TOCSY, HMBC, HSQC測定により、平面構造が明らかになり、新規のプロスタノイドであることが確認された。生理活性については、微量に混在するPGE2を完全に除去できない限り、調べることは困難であると思われるが、ヒト前骨髄球性白血病細胞(HL60)に対して、顕著な細胞毒性を示さないことは明らかになった。
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