2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規化学療法剤開発を目指した融合型グルタチオン合成酵素の立体構造解析
Project/Area Number |
19580124
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
日[び] 隆雄 Fukui Prefectural University, 生物資源学部, 准教授 (00285181)
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Keywords | 感染症 / グルタチオン / 化学療法剤 / 遷移状態アナログ / X線結晶構造解析 / bifunctional enzyme |
Research Abstract |
連鎖球菌は、肺炎・咽頭炎・敗血症など様々な感染症の原因菌となることで知られている。連鎖球菌のグルタチオン生合成は、γ-グルタミルシステイン合成とGSH合成の二段階の反応が新規のbifunctional enzyme(GCS-GS)により触媒される。グルタチオン合成の阻害は連鎖球菌に酸化ストレスを与え感染や増殖を抑制することが期待される。本研究では、CN基を導入したsulfoximine型遷移状態アナログ阻害剤carboxyCSOがBSOの約1/10000の濃度で本酵素を不可逆的に失活させることを明らかにした。そこで、本阻害剤carboxyCSOとGCS-GSの複合体を作製し、そのX線結晶構造解析を行なった。つくばフォトンファクトリービームラインBL-5Aにおいて到達分解能2.7Aでデータ収集を行った。本阻害剤とGCSGSの複合体について2.7A分解能で結晶構造を決定した。ホモ2量体を形成する各サブユニットはGCSドメイン(1-419)とGSドメイン(427-750)からなり、GCSドメインに結合したcarboxyCSOの構造が明らかになった。阻害剤の認識には126番目のアルギニン残基との相互作用が重要だが、この残基と122番目のグルタミン酸残基が塩結合することが本酵素への阻害を低下させる要因となっていることが示唆された。またGSドメインはATP-graspフォールドから構成されるが、これまで知られていなかったア挿入領域がサブドメインを形成し、活性調節に寄与することが示唆された。
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Research Products
(2 results)