2007 Fiscal Year Annual Research Report
血糖値低下を誘導するイソロイシンの糖代謝調節シグナル分子としての機能の解析
Project/Area Number |
19580133
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
吉澤 史昭 Utsunomiya University, 農学部, 准教授 (10269243)
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Keywords | イソロイシン / 血糖値 / 糖代謝 / 糖新生 / 肝臓 / ラット |
Research Abstract |
ラットへのイソロイシン(Ile)経口投与が全身の糖酸化、末梢組織への糖取り込み及び肝臓での糖新生に与える影響について検討した。 1.Ile経口投与が全身の糖酸化に与える影響 糖の酸化量は、一晩絶食させたラットに血糖値低下作用の最大有効用量(0.45g/kg体重)のIle溶液及び対照として生理食塩水を経口投与すると同時に[U-^<14>C]-glucoseを静脈内投与した後の呼気への^<14>CO_2排泄量により測定した。その結果、ラットへのIle経口投与により、呼気中^<14>CO_2の排泄量は対照群と比べて有意に増加した。 2.Ile経口投与が末梢組織への糖取り込みに与える影響 末梢組織(筋肉・肝臓・脂肪組織)における糖の取り込み量は、Ile溶液及び生理食塩水を経口投与したラットに2-[1,2-^3H]-deoxyglucose(DG)を静脈内投与し、被験液投与1時間後の各組織中2-[1,2-^3H]-DG-phosphate量を血糖値で補正することにより算出した。各末梢組織への糖の取り込み量は、骨格筋においてのみIle経口投与により対照群と比べて有意に高値を示した。 3.Ile経口投与が肝臓における糖新生に与える影響 Ile投与が肝臓における糖新生に与える影響を、経口投与ラットの肝臓中のPEPCKのmRNA量及びG6PaseのmRNA量と活性を測定することで検討した。Ile経口投与後のラットの肝臓において、PEPCKのmRNA量及びG6PaseのmRNA量と活性が対照群と比べて有意に低下した。 結論:Ileの経口投与により全身の糖の酸化的利用が亢進することが示された。さらにIleによる血糖値低下作用には、筋肉への糖の取り込み促進に加え、肝臓における糖新生抑制も寄与する可能性が示唆された。
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