2008 Fiscal Year Annual Research Report
可食性バイオハイブリッド創出による食品タンパク質の高機能化
Project/Area Number |
19580134
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
服部 誠 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (40221501)
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Keywords | β-ラクトグロブリン / バイオハイブリッド / 機能改変 / 低アレルゲン化 |
Research Abstract |
牛乳中の主要な乳清タンパク質であるβ-ラクトグロブリン(β-LG)は、必須アミノ酸を豊富に含む良質のタンパク質であり、乳化性、ゲル化性、気泡性といった機能特性に優れ、有用な疎水性のリガンド結合能を有しており、優れた食品素材となる可能性を有している。しかしながら、塩存在下、酸性条件下で乳化性が低下すること、さらに強力なアレルゲン性を有することから、その利用には請願がある。そこで、本研究では、β-LGの機能改変を目的として、塩基性糖質とのバイオハイブリッドを作出した。 塩基性糖質としては、ポリリシン-デキストラン(α-PL-Dex)ハイブリッドを調製し用いた。α-PL-Dexハイブリッドの調製は、相対湿度79%の条件でメイラード反応させることにより行い、さらに、微生物由来トランスグルタミナーゼ(MTGase)(アクティバTG-K(味の素株式会社製))を用い、37℃で酵素反応を行い、ββ-LG-PL-Dexハイブリッドを作出した。次に、陽イオン交換クロマトグラフィーにより精製を行った。β-LG:PL:Dex=1:1:1のハイブリッドが得られた。 得られたβ-LG-PL-Dexハイブリッドの機能として、免疫原性の評価を行った。免疫は、BALB/cマウスを用い、Freundのアジュバントとともに腹腔内投与により行った。その結果、PL-Dexとの複合体化により、新たな免疫原性を生ずることなく、β-LGの免疫原性を効果的に低減化できることが明らかとなった。
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