2009 Fiscal Year Annual Research Report
新しい抗菌剤としての1,5-アンヒドロフルクトースの評価
Project/Area Number |
19580143
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
安部 淳一 Kagoshima University, 農学部, 教授 (80128404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 雄二 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (90253913)
高峯 和則 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (10433070)
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Keywords | 1,5-D-アンヒドロフルクトース / 大腸菌 / 酵母 / 1,5-D-アンヒドログルシトール / 1,5-D-アンヒドロマンニトール / 誘導体 |
Research Abstract |
1,5-D-アンヒドロフルクトース(1,5-AF)は紅藻α-グルカンリアーゼをα-グルカン、例えば澱粉、に作用させて生成する糖である。この糖は、水中で水和型構造や分子内に二重結合を持つ構造の平衡状態にあり、反応性に富む。我々は、これまでの研究を基礎として、1,5-AFの産業化にすでに成功している。本研究は、1,5-AFの糖の新たな誘導体の作成と、この糖の機能の一つである抗菌作用についての解明を目指している。 昨年度の研究により、酵母が1、5-AFを糖アルコールに変換することを認めたが、さらに精査することにより、精製される糖アルコールがもう一種あることを認めた。これを触媒する酵素は、昨年度精製した酵素とは別の酵素であった。酵素は大変不安定であったが、精製することができた。不安定な原因は、この酵素が金属イオンを安定性に要求し、これが精製操作により失われるためであることが判り、この金属イオンを転嫁することにより様々な性質を調べることができた。現在、この酵素の内部アミノ酸配列を解析しており、データベースにより検索する予定である。 本年度のもう一つの成果として、1,5-AFに大腸菌がやや耐性を示す理由を推測することができた。この糖は、大腸菌によりやはり糖アルコールに変換されるが、この糖アルコールは大腸菌によりゆっくりであるが資化される。グラム陽性菌がこの糖アルコールをしかできないことに比べて、弱いながらも資化能があることがグラム陰性菌に対して本糖質の成育抑制が少ない原因であると考えられた。
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