2007 Fiscal Year Annual Research Report
エマルション化過程における獲得界面エネルギーと投入エネルギーの関係
Project/Area Number |
19580145
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
松野 隆一 Ishikawa Prefectural University, 生物資源環境学部, 教授 (30032931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島 元啓 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教 (60293916)
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Keywords | 食品エマルション / 獲得界面エネルギー / エマルション化過程 / エマルション化エネルギー / エマルション化効率 / 食品製造工学 / 界面現象 |
Research Abstract |
食品、化粧品、医薬品の分野において、エマルション化操作は非常に頻繁に用いられているが、エマルション化過程における必要エネルギーに関する系統的研究は見当たらない。ノウハウを持ちながら、試行錯誤的に適したエマルション化条件を決めることができれば、経験的にその結果が踏襲されるというのが実情である。本研究では、エマルション化過程を界面エネルギーの獲得過程と捉え、目的とするO/W型エマルションを得るのに必要なエネルギー投入量をエマルション化される脂質、界面活性剤、包括剤の特性、エマルション化装置の特性、エネルギー投入法などエマルション化操作条件の関数として定量的に推算することならびにエマルション化過程を論理的に設計し、最適化を可能にすることを目的とする。高速回転するローターと固定されたステーターの間隙で剪断力により微油滴化を行うポリトロンホモジナイザー、膜の孔を通過する間にエマルション化を達成する膜乳化装置および油水混合液を高圧(50-150MPa)で弁のような微細間隙を通すことにより微油滴化する高圧ホモジナイザーを用いてエマルション化し、粒径分布より獲得界面エネルギーを求め、操作で投入した機械的エネルギーとの比すなわちエマルション化効率を算出した。対象材料として、水-オクタン酸トリグリセリド系と水溶性界面活性剤ラウリル硫酸ナトリウムを採用した。その結果、現在の実験条件下で、3つのことが明らかとなった。1)エマルション化効率は著しく低く、実用的操作条件ではエマルション化はエネルギー消費型の操作であること。2)エマルション化効率が投入エネルギーの効率すなわちワット数の増加と共に減少すること。3)エマルション化装置が異なっても、エマルション化効率がワット数で相関できる可能性があること。
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