2008 Fiscal Year Annual Research Report
温度感受性TRP受容体を活性化する食品成分とエネルギー代謝
Project/Area Number |
19580146
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
渡辺 達夫 University of Shizuoka, 食品栄養科学部, 教授 (10210915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守田 昭仁 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (40239653)
成川 真隆 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (50432349)
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Keywords | 食品成分 / 生理活性 / エネルギー代謝 / TRP受容体 |
Research Abstract |
マウスでのin vivo実験と、培養細胞によるin vitro試験を実施した。1.肥満を誘発するモデル系として、マウスに高脂肪・高ショ糖食を添加する系をまず確立した。この系にTRPV1の活性化成分である1-モノオレインを添加してペアフィーディングにて一ヶ月飼育し、体脂肪蓄積や血中成分などの分析からエネルギー代謝への影響を検討した。その結果、体脂肪の蓄積は抑制される傾向を示し、また、肩胛骨間褐色脂肪中のUCP1量が有意に増大した。これらのことから、1-モノオレインはエネルギー消費を高め、体脂肪の蓄積に抑制的に作用することが示唆された。2.ヒトTRPA1遺伝子を安定的に導入した細胞と、分注機能付き蛍光マイクロプレートリーダーであるセルベースワークステーションFlexStationIIを用いて、TRPA1を活性化する食品成分を探索し、ニンニク中の含硫化合物が高い活性を示すことを見出した。中には、ワサビの辛味成分であるアリルイソチオシアネートより高活性な化合物もみられた。また、これらの化合物は弱いながらTRPV1に対する活性も示した。その他、ショウガ類の化合物数種と、サンショウ中のTRPA1活性を検討した。さらに、同様の実験系でTRPV1活性化成分を引き続き検討したところ、コショウ中からピペリン以外の活性化成分6種を新たに単離し,構造決定した。3.齧歯類のTRPA1のクローニングを試み、TRPA1らしき遺伝子の取得に成功した。今後、細胞に異所的に導入してタンパク質を発現させ機能解析をしてTRPA1であることを確認する必要がある。
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Research Products
(8 results)