2007 Fiscal Year Annual Research Report
グリセルアルデヒド修飾タンパク質の構造と糖尿病・老化関連疾患発症機構の解明
Project/Area Number |
19580149
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
早瀬 文孝 Meiji University, 農学部, 教授 (80105246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 寛人 明治大学, 農学部, 准教授 (20270895)
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Keywords | maillard reaction / glyceraldehyde / AGE / argpyrimidine / MG-H1 / GLAP / 3-DG / α-dicarbonyl |
Research Abstract |
グルコース系やグルコース・タンパク質系でグリセルアルデヒドの生成を明らかとし,グリセルアルデヒドの定量法を確立し,それぞれの系でグリセルアルデヒドの定量を行い,グルコース系で生成するグリセルアルデヒドの生成量はグルコース・タンパク質系よりも高かった。これは,グリケーションの場合は生成したグリセルアルデヒドがさらにタンパク質を修飾し,AGE(advanced glycation end products)の生成に至ると考えられた。また,グリセルアルデヒドは3-デオキシグルコソン(3-DG)やglucosone(GLUCO)からも生成した。グルコースとフルクトースの分解によって生成するα-ジカルボニル化合物の化学構造を明らかにした。GLUCO,3-DG,3-deoxyxylosone,tetrosone,triosone,3-deoxytetrosone,glyoxalとmethylglyoxalが同定された。さらに,グリセルアルデヒドが関与するグリケーションでアルグピリミジンが生成することを明らかにした。N-alpha-acetyllysine,N-alpha-actylarginine,グリセルアルデヒドの反応系でAGEであるMG-H1,GLAPとアルグピリミジンが生成したが,N-alpha-actylarginineとグリセルアルデヒドの反応系では生成しなかった。従って,アルグピリミジンの生成にはリジン残基が必須であることが明らかとなった。さらに,アミノカルボニル反応の中間体である3-デオキシグルコソン(3-DG)の生理作用について検討を行い,3-DGがマウスマクロファージ細胞株に対して小胞体ストレスを介したアポトーシスを誘導することを見いだし,動脈硬化症など糖尿病合併症の発症機構におけるカルボニルストレスの意義を明らかにした。
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