2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580152
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
波田野 義比古 Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences, 応用生命科学部, 教授 (80113025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一柳 孝司 新潟薬科大学, 薬学部, 准教授 (00288226)
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Keywords | 食品 / アントシアニン / 機能性代謝物 / レトロカルコン |
Research Abstract |
平成19年度の研究で、当初の目標である種々のアントシアニン(6種のアグリコンのグルコース配糖体の精製標品を様々な精製手法で確保し、in vitro,in vivoでの実験に供することを可能にした。我々が進めている、アントシアニン類の吸収・代謝・臓器分布の研究からは、インタクトあるいはアグリコンの構造を保持した代謝物だけでは、生体内でのその機能性を説明できないことが明らかになりつつある。 そこで、生体内でのアグリコン構造が保持されていない退色代謝物を探索するための予備実験として、in vitroでのアントシアニンの退色産物の探索を行った。各アントシアニン(シアニニジン、デルフィニジン、マルビジン、ペラルゴニジン、ペツニジンの3-グルコシドおよびシアニジン、デルフィニジンの3-ルチノシド)を生理的条件下(pH7.4、37℃)で48時間インキュベートし、その間のアントシアニンの分解と退色産物の生成をHPLC-フォトダイオードアレイシテムで経時的に追跡した。 いずれのアントシアニンも一次反応的に減少し、それに伴い350nm付近に吸収極大を持つ、退色産物と考えられる液クロピークが現れる。このピークは5〜10時間で極大となり、その後は減少していく。この退色産物を同定するために、シアニジンとデルフィニジンの3-ルチノシドについてLC-タンデムMS分析を行った。どちらのアントシアニンでもアグリコンのレトロカルコンに対応するプロトン付加分子ピークが明瞭に検出される。従来アントシアニンの分解過程で生じるとされていたレトロカルコンを初めて明確にとらえることができた。これらの結果を昨年の3rd International Conference on Polyphenols and Healthで報告した。現在、他のアントシアニン類のin vitroでの退色産物の同定とin vivoでの退色産物の検出、定量を進めている。
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