2007 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンC不足が老化や神経系、エネルギー代謝、脂質代謝に及ぼす影響
Project/Area Number |
19580156
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
半田 節子 Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology, 東京都老人総合研究所, 助手 (30360697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石神 昭人 東京都老人総合研究所, 主任研究員 (50270658)
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Keywords | ビタミンC / 老化 / コラーゲン / カルニチン / ストレス / SMP30 / 酸化ストレス / 活性酸素 |
Research Abstract |
細胞内において、L-カルニチンは脂肪酸を細胞質からミトコンドリアへ輸送する働きがある。特に長鎖脂肪酸はミトコンドリア内膜を直接、通過できないため、カルニチンが欠乏すると細胞質に脂肪酸が蓄積する。In vitroの研究から、カルニチンの生合成にはビタミンC(L-アスコルビン酸)が必須である可能性が示唆されている。しかし、in vivoで本当にビタミンCがカルニチン合成に必須か否かはっきりと結論が出ていない。そこで本研究では、ビタミンCを体内で生合成できないSMP30/GNLノックアウトマウスを用いて、ビタミンC欠乏がカルニチン生合成に与える影響を検討した。 SMP30/GNLノックアウトマウスのビタミンC非投与群における組織中ビタミンC含量は、検出限界以下であった。しかし、予想に反して総カルニチン含量はSMP30/GNLノックアウトマウスのビタミンC非投与群では、各組織において他群と比較して有意差は認められなかった。このことから、ビタミンCが欠乏しても、体内カルニチン量が減少しないことが明らかとなった。 本年度、カルニチン生合成にビタミンCが必須ではないことが明らかとなった。生体内におけるカルニチン生合成にビタミンCが必須ではない理由として、肝臓でのグルタチオン含量が代償的に増加したためと考えられる。グルタチオンは生体内における還元性物質のひとつである。カルニチンの合成臓器である肝臓でグルタチオン含量が増加したため、グルタチオンがビタミンCの代わりにカルニチン生合成を維持していた可能性が考えられる。
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