2007 Fiscal Year Annual Research Report
森林経営のオルタナティブとセクターの役割:インドから学ぶこと
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19580160
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
増田 美砂 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (70192747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 伊久雄 愛媛大学, 農学部, 准教授 (00252495)
谷祐 可子 東北学院大学, 経済学部, 准教授 (40326707)
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Keywords | インド / 共同森林管理(JFM) / アッサム州 / 林野制度 / 森林局 |
Research Abstract |
7月末にインド環境森林省からアッサム州における調査許可を取得し,8月初頭に現地に入った.アッサム州森林局および雨林研究所において法令・統計資料を収集した後,アッサム州各地の共同森林管理(JFM)サイトを訪問した.また,営林署長およびJFM実行委員会メンバーに対し,JFMの活動内容,予算,構成員の社会経済的背景に関して聞き取りを行った. 世界銀行の援助によって実施されているJFMの活動状況は良好であるが,その他のJFMでは一般的に,資金的な問題を抱えていた.JFM内部でリボルビング・ファンドを構築する前に活動が滞っている事例も見受けられた.JFM後発州であるアッサムでは,外部援助の有無がJFM実施の規定要因となっていることが示唆された. その後,いくつかの管区を選びJFM構成員と森林資源の関わりについての聞き取り調査を行う予定であったが,治安が悪化したため予定を変更し,インド北部のデラドゥーン市にある森林研究所において植民地期の年次報告書などの文献収集を行った.その結果,丘陵地では広大な森林が未区分林のまま放置されていたこと,木材生産は主にそのような未区分林から民間業者によって行われていたことが明らかになった.広大なサール林を有するにも関わらず,その林業的活用のための森林インフラの整備は,少なくとも植民地期にはそれほど発達してこなかったことが示唆された. 以上の結果を,平成20年6月に開催される第18回日本熱帯生態学会において発表する予定である.
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Research Products
(2 results)