2009 Fiscal Year Annual Research Report
立地及び施業条件による森林植生の違いが斜面の土砂生産特性に与える影響について
Project/Area Number |
19580161
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
執印 康裕 Utsunomiya University, 農学部, 准教授 (60221305)
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Keywords | 森林簿 / 森林管理 / 数値地形モデル / 表層崩壊 / 樹木根系 / 土質強度 |
Research Abstract |
本研究においては、森林施業が出地流域における土砂生産特牲に与える影響を数百ha程度の空間領域を対象として定量的に評価することを目的として実施している。中でも、表層崩壊を起因とする土砂生産特性を定量的に評価することを主要な目的としたものである。解析対象地として宇都宮大学船生演習林を選定した。宇都宮大学船生演習林は、総面積約532haであり、ヒノキの人工林を主体として構成されている林分である。1998年の8月末に発生した集中豪雨(福島県南部・那須豪雨)によって各地で被害が発生したが、同演習林内においても本集中豪雨によって36箇所の地点で表層崩壊が確認されている。同演習林には10mメッシェのDEMおよび森林簿に対応した同サイズのメッシュデータが存在していることから、これを用いで検討を行ったものであろ。ヒノキ人工林全体の林齢面積頻度分布と比較して,山腹崩壊が発生した林齢面積頻度分布は若齢林にシフトしていた。この対応関係を説明することを目的としで林齢-粘着力関係を考慮した分布型表層崩壊モデルによる検討を行った結果,根系の補強効果を考慮した粘着力の値はおよそ5.3kPaから7.6kPaの範囲にあり,ヒノキ人工林の粘着力は林齢20年前後で最小になることが示されだ。既往研究においては、根系の土質強度補強効果を解析的に評価する手法として、根系の引き抜き試験や現地せん断試験等が実施されてきたが、以上の結果は既往研究の手段を用いずとも、簡易な物理モデルを用いて森林植生が土質強度特性に与える影響を、ある程度まで広域を対象に定量的に評価することが可能であるとを示したものである。
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Research Products
(2 results)