2009 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀以降の日欧米における林学・林政の展開過程-山地林管理を中心として-
Project/Area Number |
19580165
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古井戸 宏通 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (30353840)
|
Keywords | 山地林 / 山林監守人 / 林野制度史 / 環境史 / ニュージーラント / フランス / 林業統計 |
Research Abstract |
ドイツ林学から派生した林学のヴァリエーションを、山地林管理の変遷という視点から統一的に分類整理・分析することが、本研究の全年度を通じての目的である。間接経費等の予算上の制約、および、初年度において収集したフランス林業学校教授G.BUTTOUDの論考、昨年度において収集したドイツ語圏における関係資料等の示唆するところにより、19世紀以降に於ける「山林監守人」の性格変化に焦点を絞って研究を続行した。 1. 文献調査:日欧米等における、近世における林野利用の共同体的規制と、近代以降の監守人制度との関係について、関連する文献を、引き続き幅広く調査した。とくに先行研究のある仏国については、分析の基礎となる林野関連統計の歴史を調査し、その結果を公表した。 2. 現地訪問調査:(1)2009年8月にコペンハーゲンで開催された第1回世界環境史学会に私費参加し、最新の知見を得た。この結果、予定していた訪問調査地を米国からニュージーランド(以下NZ)に変更した。(2)米国については文献収集を行った。(3)NZでは、世界環境史学会で知己を得た歴史地理学者Ross教授の協力を得て、Massey大学、ウェリントン国立図書館、同公文書館、同市立図書館で、文献収集を行った。 ニュージーランドは、先住民社会が「開拓」されていく過程とその時期が、本研究で前年度までに資料収集を行ってきた日本の北海道と類似しており、また、欧米の林学から影響を受けたという点でも北海道に類似していることが判明した。
|