2008 Fiscal Year Annual Research Report
流域スケールを対象とした航空機LiDAR計測手法の検証
Project/Area Number |
19580169
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 一清 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (40262430)
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Keywords | 航空機LiDAR / スケール / 森林パラメータ / ヒノキ / 平均樹高 / 開空度 / LAI / 相対照度 |
Research Abstract |
本研究では、従来の森林調査にかわる迅速かつ高精度の新たな森林計測システムの構築を目指し、筆者らが提案した新たな航空機LiDARデータ解析手法("Top surface"解析)について、その流域スケールへの適用性について検証することを目的とした。まず、信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター手良沢山ステーション(以下AFC)及び東京大学愛知演習林(以下UFA)内のヒノキ人工林内に設定した計16プロットについて、それぞれ異なるシステムによるLiDAR観測を行い、"Top surface"解析から推定された平均樹高及び実測の平均樹高を比較し、両者に高い相関関係が認められ、本手法の推定値が実測の平均樹高の代替値として利用できることを明らかにした。また、UFAについては上記プロットデータ及び同ヒノキ林内の165地点において撮影した全天空画像から、1)最適な解析空間的スケールの評価、及び2)開空度・Sky Factor・葉面積指数(LAI)・林分材積の推定可能性の評価を行った。その結果、1)に関しては解析空間スケールの増加にともない、LAIの推定精度が上がるが、10m以上では殆んど変化が見られないこと、また樹高以外の森林パラメータの推定では、材積に関しては筆者らが提案した航空機LiDARデータから求められる3つの変数により高精度(R^2>0.95)で推定可能であること、さらに開空度・Sky Factor(相対照度の指標)・LAI等に関しても航空機LiDARデータから求められるただ1つの変数により高精度(R^2=0.75,0.85,0.83)に推定可能であることを明らかにした。これら航空機LiDARデータから求められる変数は、"Top surface"解析により、人の手作業を介することなく自動的に算出される変数であり、上記の結果からもその有効性が極めて高いことが示唆された。
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