2007 Fiscal Year Annual Research Report
菌根菌による難水溶性リン酸塩の可溶化に関わる分子機構の解明
Project/Area Number |
19580172
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
服部 武文 Kyoto University, 生存圏研究所, 助教 (60212148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩瀬 剛二 鳥取大学, 農学部, 教授 (60444642)
梅澤 俊明 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (80151926)
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Keywords | Laccaria bicolor / Fomitopsis palustris / シュウ酸 / リン / オキサロ酢酸加水分解酵素 / グリオキシル酸脱水素酵素 / 荒廃地造林 / 外生菌根菌 |
Research Abstract |
樹木の根に共生する菌根菌は、土壌中のリンを可溶化させ樹木に供給し、樹木のリン欠乏を防止している。このように、菌根菌は樹木の健全な生育に必須の働きをしており、荒廃地造林において重要性が高い。 本研究は、菌根菌による難水溶性リン酸塩の可溶化機構を解明する事を目的とする。本年度は、外生菌根菌において、難水溶性リン酸塩の可溶化を行うと考えられているシュウ酸の生合成酵素をコードするcDNAを、ゲノムが明らかにされているオオキツネタケ(Laccaria bicolor)からクローニングすることとしていた。しかし、アノテーションが行われている候補遺伝子が、真に活性を持つタンパク質をコードしているのかどうか、実験的に証明されていなかった。そこで、木材腐朽菌オオウズラタケ(Fomitopsis palustris)のシュウ酸生合成酵素“オキサロ酢酸加水分解酵素(FpOAH)"と“グリオキシル酸脱水素酵素(FpGLOXDH)"をコードするcDNAをまずクローニングし、オオキツネタケにおけるこれらのホモログをターゲットとして選抜し、研究を進める事とした。 その結果、オオウズラタケより、まず、FpGLOXDHの内部アミノ酸配列を基に、cDNA FpGLOXDH(502アミノ酸をコードする)を得た。次に、cDNA FpOAH(360アミノ酸をコードする)を得て、大腸菌による発現を行い、無細胞抽出液においてFpOAH活性を確認した。 このFpOAHとFpGLOXDHに相同性の高い配列をオオキツネタケゲノム中検索した。その結果、FpGLOXDHに高い相同性を持つタンパク質をコードする配列を見出した。一方、FpOAHに関しては、候補遺伝子を更に検討中である。
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