2007 Fiscal Year Annual Research Report
オルガネラ間の酸化還元・電子移動・エネルギー分配に依存したストレス回避と回復過程
Project/Area Number |
19580177
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
柴田 勝 Nagaoka National College of Technology, 物質工学科, 准教授 (30300560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 航 国立大学法人東京大学, 理学(係)研究科(研究院), 准教授 (80304004)
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Keywords | 樹木 / 色素 / ミトコンドリア / 光合成 / ストレス |
Research Abstract |
草本植物の葉片にはβ-carotene(β-Car)が含まれているが、樹木葉ではα-carotene(α-Car)がβ-Carと置換する形で存在しており、α-Car量は夏季に増加し、秋・冬季に減少する。それに伴い7種のカロチノイドが相互に入れ替わることでタンパク質内のカロチノイド組成を大幅に変化させる環境応答を示してきた。 (1)「色素組成の変化を引き起こす主要環境因子および色素置換のタンパク質の同定」のために、成熟したカキノキの葉を被陰処理し、生育光強度がカロチノイド組成変化に与える影響について調べた。そして、成熟葉においても生育光強度の低下によりα-Carがβ-Carと置換し、lutein量の減少を示した。色素置換のタンパク質を特定するために、カキノキの葉緑体チラコイド膜を用いてmild-PAGEにより色素タンパク質複合体の分離を行うが、樹木のチラコイド膜は凝集しやすく、色素を結合した状態でタンパク質を分離することができないことから、最適な緩衝溶液組成選択し、PVPおよび抗酸化剤,金属キレート剤により膜の単離・洗浄を行うことで、ほぼタンパク質の分離が可能となった。 (2)「色素組成の違いが葉緑体電子伝達・光合成に与える影響」について、色素組成の変化がどのような環境ストレス対してどの程度、有効であるのかを明らかにする。被陰処理葉および季節的なカキノキの葉を用いて、PAMクロロフィル蛍光の測定により、Fv/Fm(最大量子収率),Φ_PSII(PSIIの量子収率),ETR(電子伝達速度),光照射中の光利用効率,qQ(電子伝達成分の酸化状態),NPQ(熱成分)を測定した。その結果、生育光強度の低下と共に光化学系IIの量子収率が低下した。
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Research Products
(2 results)