2007 Fiscal Year Annual Research Report
針葉樹人工林内の共存樹種の種子散布特性と散布者の対応関係の解明
Project/Area Number |
19580180
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
佐藤 重穂 Forestry and Forest Products Research Institute, 四国支所, チーム長 (10353707)
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Keywords | 針葉樹人工林 / スギ / ヒノキ / 共存樹種 / 種子散布型 / 動物散布 |
Research Abstract |
針葉樹人工林内に成育する樹種の種子散布特性とその散布者との関係を明らかにすることを目的として、本年度はスギ・ヒノキ人林内に成育する共存樹種の生活と種子散布型を類型区分するとともに、樹木種子の散布者となる種を抽出するために、針葉樹人工林に生息する鳥類相を調べた。 高知県西部の四万十川流域とその周辺で行われたスギ・ヒノキ人工林の植生調査のデータの整理を行った。調査は各林分に0.01haの調査区を設け、出現する樹種を階層別に被度を記録した。22林分の調査結果をまとめたところ、一林分当たり平均21.9種±7.8種(S.D.)の出現樹種があった。全体で124種が出現していたが、生活型による区分では高木・亜高木が61種、低木50種、蔓性木本13種であった。種子散布型による区分では、風散布29種、重力散布4種、動物被食散布78種、動物貯食散布12種、機械的散布1種であった。 同じく四万十川流域のスギ・ヒノキ林で鳥類調査を行い、その結果をまとめた。調査は繁殖期に5分間のプロットセンサスを一林分あたり5プロットの2回繰の返しで行った。27林分の調査結果をまとめたところ、一林分当たり平均10.8種±2.3種(S.D.)の出現種があった。全体で36種が出現していたが、このうち樹木種子の被食型散布者としてヒヨドリ、メジロ、キツツキ類など14種、貯食型散布者としてヤマガラとカケスの2種を抽出した。 アカメガシワ、カラスザンショウなど人工林内の主要な共存樹種の数種について、鳥類による果実の被食状況を調査し、種子散布者相に関するデータを収集した。
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