2007 Fiscal Year Annual Research Report
クロノシークエンス法を用いた森林土壌における有機炭素蓄積速度の評価
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19580181
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
吉永 秀一郎 Forestry and Forest Products Research Institute, 立地環境研究領域, 室長 (10353913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森貞 和仁 独立行政法人森林総合研究所, 材木育種センター・温暖化対応推進拠点, チーム長 (70353886)
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Keywords | 森林土壌 / 有機炭素 / 蓄積速度 / クロノシークエンス / 火山噴出物 / 泥流堆積物 / 土壌生成 |
Research Abstract |
本研究の目的は、森林のCO_2吸収機能をより正確に評価するために、森林土壌における有機炭素の蓄積速度を各地で測定し、日本における炭素蓄積速度の値域を解明することである。平成19年度は、伊豆諸島の三宅島、大隅半島北部において火山噴出物を母材とする土壌、また日光中禅寺湖西岸の千手が原において洪水堆積物を母材とする土壌を対象として有機炭素の蓄積速度を測定した。三宅島2000年噴出物にはまだ明瞭なA層の発達が認められないが、植生の回復にともなって土壌へ有機炭素が蓄積し始めており、深さ5cmまでに0.01〜0.04kgm^<-2>程度の有機炭素が蓄積していた.桜島の東に位置する大隅半島北部では、広い範囲において大正噴火による火山噴出物の上位には10cm程度のA層の発達が認められ、有機炭素の蓄積速度を算出すると0.02〜0.04kgm^<-2>、y^<-1>の範囲の値を示した。日光千手が原に分布する洪水堆積物における有機炭素の蓄積遠度は渦去約100年前までの堆積物では0.02〜0.04kgm^<-2>、y^<-1>であったが、約300年前ならびに約1300年前の堆積物では0.01kgm^<-2>、y^<-1>以下であった。このことは、土壌生成初期に有機炭素の蓄積が早く、時間の経過とともに徐々に低下する可能性を示唆する。なお、今年度測定した有機炭素蓄積速度は、欧米の氷河後退地や岩屑流堆積地における蓄積速度よりは大きい値を示したが、日本の各地で報告されている黒ボク土や岩屑流堆積物における蓄積速度とは同程度の値を示した。
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Research Products
(3 results)