2008 Fiscal Year Annual Research Report
樹木培養細胞からの二次木部直接誘導系における細胞骨格のリアルタイム解析
Project/Area Number |
19580183
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
船田 良 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (20192734)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 隆文 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (00015091)
梶田 真也 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (40323753)
|
Keywords | 細胞骨格 / 形成層 / 二次木部 / 微小管 / 管状要素分化 / 共焦点レーザ走査顕微鏡 / 培養細胞 / 微小管付随タンパク質 |
Research Abstract |
木質バイオマスの有効利用のためには、二次木部細胞の分化制御機構を十分に明らかにすることが不可欠である。そこで本研究では、厚い二次壁とともに壁孔やせん孔など複雑な修飾構造を形成する二次木部細胞を培養細胞から直接誘導するモデル系を確立し、二次木部細胞の形態形成過程を動的に追跡することを目的としている。さらに、細胞分裂や細胞壁壁層構造のパターン形成に重要な役割を担っている細胞骨格の配向や局在をリアルタイムで動的に解析する手法を確立し、二次木部細胞の分化機構に関するモデル図を提唱する。 交雑ポプラ、カキノキ、カヤのシュート形成層細胞由来のカルスを材料に用い、培養細胞から二次木部への直接誘導系を検討した。その結果、脱植物ホルモン処理やブラシノステロイド添加が、管状要素の誘導率の向上に有効であった。誘導された管状要素のなかには、せん孔や有縁壁孔を形成するなど二次木部様の形態をもつ細胞が認められ、培養細胞から二次木部細胞へ直接誘導することが出来たといえる。管状要素への分化中の培養細胞を、微小管に対する蛍光抗体染色後、共焦点レーザ走査顕微鏡を用いて配向や局在を観察したところ、微小管の局在と二次壁の堆積場所が一致し、微小管が細胞壁形成において重要な役割を担っていることを明らかにした。さらに、微小管付随タンパク質-GFP遺伝子を導入したポプラ培養細胞を作製し、微小管の配向や局在のリアリルタイム解析を行った。微小管のダイナミックな重合・脱重合が、培養細胞の分裂位置を制御していることが明らかになった。 本研究で得られた培養細胞からの二次木部細胞誘導に関する成果は、英国で行なわれた国際木材科学アカデミー学会で発表し、成果の一部は論文や著書で発表した。
|
-
-
-
-
[Presentation] Microtubules and wood formation
Author(s)
Funada, R., et al.
Organizer
The International Academy of Wood Science 2008 Annual Meeting, Joint with The Linnean Society and IAWA 2008年5月29〜30日
Place of Presentation
The Linnean Society, London, UK
-
-