2007 Fiscal Year Annual Research Report
高耐熱性を有するナノコンポジット型構造用集成材用接着剤の開発
Project/Area Number |
19580184
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山田 雅章 Shizuoka University, 農学部, 助教 (20293615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝 欽二 静岡大学, 農学部, 教授 (00022252)
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Keywords | モンモリロナイト / ナノコンポジット / 耐熱性 / 動的粘弾性 / 接着性能 |
Research Abstract |
APIの耐熱性の向上を目的とレ,APIのべースポリマーとして広く利用されているPVAに粘土鉱物の一種であるモンモリロナイト(M)を添加し,そのフィルム物性や木材接着性能の評価を行なった結果,以下の知見が得られた。 PVA水溶液にMが分散し,PVA鎖と絡み合い相互作用を及ぼしあうことでPVA水溶液の粘度が上昇した。また,Mの層構造のはく離・分散が進行することで凝集性の分散系となり,チキソトロピー性を発現した。ケン化度が高くOH基の多いPVAほど,M添加による粘度上昇が大きいことから,OH基はMを吸着し,Mのはく離・分散や絡み合いに効果的に働いていると考えられる。 Mの層状の結晶構造を表すX線回折ピークは,撹拌時間の長いフィルムほど低角度側にシフトし,面間隔が広がったことが示唆された。また,M添加系PVAフィルムの動的粘弾性によると,撹拌時間の長いフィルムほど貯蔵弾性率E'は上昇し,特にTg付近でのE'値の急激な低下が緩和され,また高温度域においても高いE'値を保持した。さらに架橋剤未添加にもかかわらず,E"ピークが高温側へシフトして,200℃付近には架橋ポリマー特有のゴム状平坦部が見られた。これらのことよりMがPVA鎖と絡み合い非常に密に相互作用を及ぼしあうことで架橋に似た構造を形成した可能性が考えられる。 これらのことにより,PVA水溶液にMを添加し撹拌することで,MがPVA中に分散・はく離し,PVAの耐熱性を向上させることが示唆された。この成果を更に発展させることで耐熱性接着剤が開発できる可能性が大きいと考えられ,非常に意義深いものと思われる。
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Research Products
(2 results)