2008 Fiscal Year Annual Research Report
FE-SEM抗体法で細胞壁肥厚の物理機構を時系列解析
Project/Area Number |
19580187
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 正人 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (30242845)
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Keywords | 細胞壁形成 / 木質科学 / 材形成 |
Research Abstract |
原形質内圧が細胞壁成分輸送へどのように作用しているかを解明するために、より無傷な二次壁新生面における壁成分堆積をFE-SEMと抗体法を組み合わせて時系列解析を試みる研究目的において、今年度設定した課題と成果は以下のとおりである。 1. 原形質内圧の日変動を推定するために、内樹皮における接線ひずみ法による木部ポテンシャル測定に加えて、葉を試料とした水ポテンシャル測定を試み、時系列パラメータの増加を目指した。接線ひずみの変動と水ポテンシャルの変動は合致し、両者の変動に位相差がないことが確認できた。この結果、自動連続測定において有利であり、さらに比較的安価な測定ができることから、接線ひずみ法が原形質内圧の測定に最適であると結論した。 2. 二次壁新生面の壁成分堆積と原形質内圧との関係を調べるため、樹木試料の生育照度を幾種類準備し、光強度変動とひずみ変動と二次壁新生面の関係を調べた。強光度から低光度までを4段階に設定し、それらの組み合わせ6通りの生育条件で試料を生育した結果、二次壁新生面において、強光度ほどセルロースミクロフィブリルの堆積が明瞭に観察された。また、低光度ほどリグニンとヘミセルロースからなるマトリックスの堆積が明瞭に観察された。さらに、強光度と低高度の差がわずかであっても接線ひずみ変動は測定され、二次壁新生面の様相も差があることが分かった。
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Research Products
(1 results)