2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580190
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
黒田 健一 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 教授 (80015908)
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Keywords | リグニン / 4-クロロアニリン / 脱水素重合物(DHP) / TMAH-直接導入-MS / TMAH-GC-MS / β-O-4 / internalβ-5単位 |
Research Abstract |
有機塩素化合物が植物中のリグニンとどのように反応するかを知るために、4-クロロアニリンとコニフェリルアルコールを酵素存在下で脱水素共重合させ、得られた脱水素重合物(G-Cl-DHP)をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)存在下で熱分解し、得られた生成物をガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)を行ったところ、[1-(3,4-dimethoxyphenyl)-2,3-dimethoxypropyl](4-chlorophenyl)amineが検出され、β-O-4構成単位のグァイアシルグリセロール部分のα-位に4-クロロアニリンが結合したことが示された。しかし、取り込まれた塩素量からさらに他の単位に4-クロロアニリンが取り込まれたのではないかと思われ、GC-MSでは検出が難しい生成物を精査するためにコントロールのG-DHP(コニフェリルアルコールの脱水素重合物)自身をTMA且存在下での直接導入-MSに供した。その結果G-DHP中には従来明らかにしてきたβ-O-4結合により他の構成単位と結合したβ-O-4、β-βおよびリグニンの末端に存在するteminalβ-5構成単位およびコニフェリルアルコール末端基のほかに、フェノールおよびCβ-アルコール性水酸基を通じてβ-O-4結合により他の構成単位と結合したinternal β-5構成単位がterminal β-5単位と6:4の割合で存在することが明らかになった。したがって、4-クロロアニリンはinternal β-5単位のグァイアシルグリセロール部分のα-位とも反応している可能性が示唆された。しかしながら、反応したβ-5単位からTMAH分解で予想される生成物(1-{3-(1E)-2-(3,4-dimethoxyphenyl)vinyl}-4,5-dimethoxyphenyl)-2,3-dimethoxypropyl)-(4-chlorophenyl)amineは高分子量の三量体のため当研究室のMSでは検出することはできなかった。
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Research Products
(1 results)