2009 Fiscal Year Annual Research Report
樹木抽出成分のコントロールに向けたテルペノイド生合成関連遺伝子・酵素の解析
Project/Area Number |
19580191
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤田 弘毅 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 助教 (90264100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 祐司 九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (30236921)
黒田 健一 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80015908)
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Keywords | バイオマス / 発現制御 / 二次代謝 / テルペン / 植物 / ヒノキチオール / P450 / テルペンシンターゼ |
Research Abstract |
Cupressus lusitanica培養細胞において、ヒノキチオール生産条件酵母抽出物添加改変B5培地で培養した細胞と、コントロールとして刺激を加えなかった細胞のmRNA発現パターンの違いを、メンブランアレイ法を用いて解析した。複数日のmRNAを混合し、それをサンプル側のプローブとした。その結果、発現量の著しく増加したクローンが46クローン確認でき、さらに機能推定できたものが35クローンあった。機能推定できたもののうち、菌を攻撃する役割を持つグルカチーゼ、ソーマチン、キチナーゼに相同性を持つものが22クローンあった。また、オキシダーゼに相同性を持つものが3クローン、エノラーゼに相同性を持つものが1クローンあった。その他、役割が不明のものが9クローンあった。エノラーゼはMEP経路の出発物質であるGAPやピルビン酸の生合成に深く関わる物である事から、MEP経路関連遺伝子・酵素の改変によって、テルペン生産能を改変できる可能性が示された。テルペンシンターゼに関して情報が得られなかったが、発現量の変化が小さい物は解析の対象にしていなかったので、そのグループに含まれたのかもしれない。あるいは、エリシター添加からテルペン生産迄の時間が短い事から、転写後の制御によって迅速に生産モードに変化する可能性も考えられる。オキシダーゼに関するクローンは、モノテルペンの酸化により最終生成物へ向かう代謝を行っていると考えられる。主にP450と思われるとれらに関しては、細胞由来粗酵素液での反応について検討した。細胞中に産するテルピノレンは粗酵素反応で水酸化、エポキシ化された。この反応は基質特異性と生産物のレギオ・立体特異性が極めて高いという興味深い結果が得ちれた。これらの酵素は生成物の制御を厳しく求められる製薬等ファインケミカル生産への応用が期待できる。
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Research Products
(6 results)