2007 Fiscal Year Annual Research Report
木質バイオマス構成成分のバルク中での量的・質的制御と資源利用への新展開
Project/Area Number |
19580194
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
湊 和也 Kyoto Prefectural University, 農学研究科, 教授 (10026601)
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Keywords | バイオマス / リグニン / 化学反応性 / タケ繊維 / 熱軟化 / 粘弾性 |
Research Abstract |
木質を構成する成分の質的・量的制御を考慮に入れた前処理の適用による木質バイオマスの用途のブレイクスルーを最終目的としており、当該年度においては、リグニン構造の変化を来たすと予測される化学反応、水蒸気処理、爆砕を木質バイオマス適用し、そのバルク中で起こる構成成分の量的・質的な変化を明らかにするための研究を進めた。その一方、前処理技術を駆使した構成成分の量的・質的な制御により、バルクの木材の力学的挙動に対する各成分の寄与や木材中での存在状態の解明のための研究に試料を提供し、力学的な観点からの実験を行った。得られた結果は以下の通りである。 1)リグニン含有量を制御した木材を試料として、アセチル化に対する反応性の検討した結果、反応速度に対するリグニンの関与が極めて大きいことが判明した。このテーマを推進し、本来的にリグニン含有率の異なる樹種を供試し、反応速度論的な考察を行っている。 2)接着剤を用いずに、100%木質系バイオマスから熱圧成形物を調製するための基礎研究の一環として、爆砕及びアルカリ処理により解繊したタケ繊維を試料とし、熱軟化温度の低下のためにアセチル化及びアリル化を適用した。爆砕及びアルカリ処理中のリグニン構造の変化について検討した後、アセチル化及びアリル化が熱軟化温度を大幅に低下させることを明らかにした。 木材の粘弾性挙動に対する構成成分の寄与:バルクの木材中の構成成分量を制御することによる木材の粘弾性挙動を検討した。その結果、応力緩和、誘電特性などの力学的性質に対してリグニンが大きく関わっていることを明らかにした。
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